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19.堀割跡と現代の高速道路
西横堀跡に造られた阪神高速道路
　広域換地がもたらした堀割跡の有効利用

　現在の当区を見わたすと、阪神高速道路網の一部が縦横に交差しているように見える。しかし、区の中央を東西に貫通する大阪港線、そこから派生した神戸線を除くと中央区との境をなす環状線が通っているに過ぎない。
　江戸時代初頭から西区に張り廻らされていた堀割は戦災復興土地区画整理事業による幅のない狭い道路や宅地との広域換地の必要性に基づいて埋め立てられたものといえる。
昭和３０年代の西横堀川・右側西区
　堀割跡は埋め立てによって新しい市街地を生み出し、公園や道路敷に転用される宅地と交換され、堀割以外に自然空間が全く存在しなかった地域に、多くの緑地と整備された街区を提供した。
　換地により「なにわ筋」「新なにわ筋」「中央大通」が出現し、殊に「なにわ筋」は二十一世紀の大阪をリードする大道路になる予測が早くも喧伝されている。
　三百五十年にわたって大阪の経済を支えてきた堀割という水路も現在は場所を変えて陸路となって大阪の根幹を造りつつある。
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